- 70代から新NISAを始めても遅くないか知りたい
- 70代が新NISAで運用するときの現実的な方法を知りたい
- 70代は新NISAで毎月いくら積み立てるべきか知りたい
70代になると、年金や退職金、預貯金を取り崩しながら生活する人も多い。投資で大きく増やすよりも、まずは生活資金を守ることが優先される年代である。
一方で、70代からの生活期間は想像以上に長い。厚生労働省の令和6年簡易生命表では、70歳の平均余命は男性15.60年、女性19.97年とされており、70代からでも15〜20年程度の生活設計を考える必要がある。
そこで選択肢になるのが、運用益を非課税にできる新NISAだ。ただし、70代の新NISAは「とにかく枠を埋める」「高リターン商品で短期間に増やす」という使い方は向いていない。
本記事では、70代から新NISAを始めるときの考え方、つみたて投資枠・成長投資枠の使い方、毎月いくら積み立てるかの目安、注意点を解説する。
| 70代の新NISAが向いている人 | 慎重に考えたい人 |
|---|---|
| 生活費とは別に余剰資金がある | 毎月の生活費が年金だけでは大きく不足している |
| 10年以上使わない資金が一部ある | 近いうちに医療費・介護費・住宅修繕費などが必要 |
| 元本割れしても生活に支障がない範囲で運用できる | 値下がりするとすぐに売却したくなりそう |
| 家族や専門家に相談しながら運用方針を決めたい | 「必ず儲かる」といった勧誘に不安がある |
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70代からの新NISAは遅い?始める前に考えたい3つの理由

70代は、必要以上にリスクをとって資産を増やす年代ではない。収入源が年金中心になる人も多く、現役世代のように損失を働いて取り戻すことが難しいためだ。
ただし、「70代だから投資は一切しない」と決めつける必要もない。生活費や医療費などの現金を確保したうえで、使う時期が決まっていない余剰資金を一部運用すれば、資産寿命を延ばす助けになる可能性がある。
ここでは、70代からでも新NISAを検討する理由を3つに分けて解説する。
理由①70歳からでも15〜20年程度の生活期間を見込む必要がある
70代で資産運用を考えるときは、「この先どのくらい生活資金が必要か」を先に確認する必要がある。
令和6年簡易生命表では、70歳の平均余命は男性15.60年、女性19.97年である。平均で見ても、70歳から男性は80代半ば、女性は90歳前後までの生活期間を想定する必要がある。
もちろん、平均余命はあくまで統計上の平均であり、実際にはさらに長生きする人もいる。預貯金だけを取り崩す場合、長生きするほど資金が不足するリスクが高まる。
70代の新NISAは、短期間で大きく増やすためではなく、長く使う資金の一部を非課税で運用し、資産の減り方をゆるやかにするための制度として考えるとよい。
理由②年金だけでは生活費をすべてまかなえない場合がある
老後の生活費は、家族構成、住居費、医療費、介護費、趣味や交際費によって大きく異なる。公的年金だけで生活費を十分にまかなえる人もいれば、毎月預貯金を取り崩す人もいる。
日本年金機構は、令和8年度の厚生年金の標準的な年金額として、夫婦2人分の老齢基礎年金を含めて月額237,279円を例示している。これは、平均的な収入で40年間就業した場合のモデル額であり、実際の受給額は加入期間や収入によって異なる。
仮に毎月10万円を預貯金から取り崩す場合、2,000万円の資産は運用しなければ16年8ヶ月でなくなる計算だ。
一方、2,000万円を年4%で運用しながら毎月10万円を取り崩せた場合、資産がなくなるまでの期間は約27年に延びる。これはあくまで一定の利回りで運用できた場合の単純計算であり、実際の運用では値下がりや手数料もあるが、資産の一部を運用することで資産寿命を延ばせる可能性はある。
70代にとって大切なのは、資産を大きく増やすことではなく、必要な現金を残しながら、使わない資金を無理のない範囲で働かせることだ。
理由③70代でも新NISAの非課税メリットを受けられる
新NISAは、日本国内に住む18歳以上(利用する年の1月1日時点)であれば利用できる制度であり、70代でも口座開設が可能である。
NISA口座で取得した上場株式や投資信託などの配当等・譲渡益は非課税になる。課税口座で運用益が出た場合は通常税金がかかるため、同じ運用成果ならNISA口座のほうが手元に残る利益を増やしやすい。
新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、合計で年360万円である。生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円まで利用できる。
また、新NISAは非課税保有期間が無期限で、売却した商品の取得金額分は翌年以降に非課税投資枠として再利用できる。老後資金の取り崩しと相性がよい制度といえる。
ただし、投資商品は元本保証ではない。売却はできても、相場が下がっている時期に売ると損失が出る可能性があるため、すぐ使うお金まで投資に回すのは避けたい。
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70代は新NISAのつみたて投資枠から検討しよう

70代から新NISAを始めるなら、まずはつみたて投資枠の商品を中心に検討するとよい。
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託などが対象で、個別株式のように銘柄選びで大きな差が出る商品よりも、初心者が仕組みを理解しやすい。
ここでは、つみたて投資枠の制度内容、70代が活用しやすい理由、商品選びの考え方を解説する。
つみたて投資枠とは?年間120万円まで積立できる非課税枠
つみたて投資枠は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託やETFを購入できる枠である。
年間投資枠は120万円で、毎月に換算すると月10万円まで積み立てられる。成長投資枠と合わせた非課税保有限度額は1,800万円だが、70代で無理に上限まで使い切る必要はない。
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁に届け出られた商品に限られる。対象商品は定期的に更新されるため、口座を開設する金融機関で実際に購入できる商品を確認することが大切だ。
70代がつみたて投資枠を活用しやすい理由
70代がつみたて投資枠を活用しやすい理由は、少額から始めやすく、投資のタイミングを分散できることだ。
一度にまとまった資金を投資すると、購入直後に相場が下落したときの心理的な負担が大きい。毎月一定額を積み立てる方法であれば、高いときも安いときも継続して買い付けるため、購入タイミングを分散できる。
また、つみたて投資枠の対象商品は、投資信託を通じて複数の銘柄や地域に分散できるものが多い。自分で個別株を選ぶよりも、投資先が偏りにくい点は70代にとってメリットになりやすい。
ただし、つみたて投資枠の商品でも値下がりはある。70代では、株式型の投資信託だけに偏らず、預貯金や債券を含む資産全体のバランスも意識したい。
70代のつみたて投資枠は低コストの分散型投信を中心に考える
つみたて投資枠で投資できる商品には、特定の指数に連動する値動きを目指すインデックスファンドが多く含まれる。
代表的な候補としては、次のような投資信託がある。
- 全世界株式インデックスファンド
- 先進国株式インデックスファンド
- S&P500インデックスファンド
- 日経平均・TOPIXなど国内株式インデックスファンド
- 株式・債券などに分散するバランス型投資信託
全世界株式インデックスファンドは、世界中の株式に分散投資できるため、1つの商品で地域分散をしやすい。一方で、株式中心の商品であるため、相場下落時には大きく値下がりすることもある。
70代でリスクを抑えたい場合は、株式型投信だけでなく、債券などを含むバランス型投資信託や、NISA外の預貯金・個人向け国債なども含めて資産全体の配分を考えるとよい。
商品を選ぶときは、過去のリターンだけでなく、信託報酬、投資対象、為替リスク、値下がり時にどの程度耐えられるかを確認しよう。
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70代の成長投資枠は余裕資金がある場合の選択肢

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる。成長投資枠は年間240万円まで利用でき、つみたて投資枠よりも購入できる商品の幅が広い。
ただし、70代で成長投資枠を使う場合は、積極的に利益を狙うよりも、生活に影響しない余裕資金の範囲で利用することが重要である。
成長投資枠とは?上場株式や投資信託などを買付できる枠
成長投資枠は、上場株式や投資信託などを非課税で買付できる投資枠である。年間投資枠は240万円で、非課税保有限度額1,800万円のうち、成長投資枠だけで使える上限は1,200万円である。
つみたて投資枠の対象商品も成長投資枠で購入できる場合があり、投資信託を毎月積み立てる使い方も可能だ。
一方で、成長投資枠の対象外になる商品もある。たとえば、監理銘柄・整理銘柄に指定された株式や、信託期間が短い投資信託、毎月分配型、高レバレッジ型の投資信託などは対象外とされる。
70代が成長投資枠を使うなら「増やす枠」より「調整する枠」と考える
70代が成長投資枠を使う場合、短期間で資産を増やす枠と考えるより、つみたて投資枠だけでは足りない分を調整する枠として使うほうが現実的である。
たとえば、毎月10万円を超えて投資したい場合は、つみたて投資枠に加えて成長投資枠で同じ低コストの投資信託を買う方法がある。また、まとまった余剰資金がある場合に、数回に分けて投資する使い方もできる。
個別株式やREITは、配当や値上がり益を期待できる一方で、投資先が偏りやすく値動きも大きくなりやすい。70代では、個別株式をメインにするのではなく、分散型の投資信託を中心にして、個別株式は余裕資金の一部にとどめるのが無難だ。
成長投資枠で検討できる商品の例
70代が成長投資枠で検討できる商品には、次のようなものがある。
| 商品例 | 特徴 | 70代の注意点 |
|---|---|---|
| 低コストのインデックスファンド | 指数に連動する運用を目指し、分散しやすい | 株式型は大きく値下がりすることがある |
| バランス型投資信託 | 株式・債券など複数資産に分散しやすい | 商品ごとに株式比率やコストが異なる |
| アクティブファンド | 指数を上回る成果を目指す | 信託報酬が高い商品や値動きが大きい商品もある |
| 個別株式 | 配当や値上がり益を期待できる | 1社に資金が集中しやすく、業績悪化の影響を受けやすい |
| REIT | 不動産に間接的に投資できる | 金利や不動産市況の影響を受ける |
成長投資枠は自由度が高い分、商品選びでリスクが大きく変わる。70代では、「値上がりしそうか」だけでなく、「大きく下がっても生活に影響がないか」を基準に選ぶことが大切だ。
70代は新NISAで毎月いくら積み立てる?

新NISAは、つみたて投資枠で年120万円、成長投資枠で年240万円、合計で年360万円まで投資できる。
しかし、70代が毎月いくら積み立てるべきかは、NISAの上限額ではなく、生活費・医療費・介護費・住居費を確保したあとの余剰資金で決めるべきである。
70代の投資額は余剰資金の範囲内に抑える
70代の投資で最も大切なのは、生活を守るお金を投資に回さないことだ。
新NISAには大きな非課税枠があるが、すべて使い切る必要はない。無理に枠を埋めようとして生活費や医療費まで投資に回すと、相場が下落したときに必要な資金を損失が出た状態で売却することになりかねない。
積立額を決める前に、次の資金を預貯金などで確保しておこう。
- 毎月の生活費
- 医療費・介護費に備えるお金
- 住宅修繕費や家電買い替えなど、数年以内に使う予定のお金
- 家族への援助や冠婚葬祭など、急な支出に備えるお金
これらを確保しても余る資金がある場合に、新NISAでの積立を検討する流れが安全である。
毎月の積立額は5,000円〜3万円から始めるのも現実的
70代から投資を始める場合、最初から毎月10万円を積み立てる必要はない。投資経験がない人は、月5,000円〜3万円程度から始め、値動きに慣れてから増額を検討してもよい。
| 家計の状況 | 積立額の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 毎月の収支に余裕が少ない | 無理に積立しない、または月5,000円程度 | まずは生活費と緊急資金を優先する |
| 毎月1万〜3万円ほど余裕がある | 月5,000円〜1万円 | 投資に慣れることを優先する |
| 毎月5万〜10万円ほど余裕がある | 月1万〜3万円 | 生活に影響しない範囲で増額を検討する |
| まとまった余剰資金がある | 月5万〜10万円、または数回に分けて投資 | 一括投資に偏らず、時間分散を意識する |
積立額は一度決めたら固定ではない。年金収入、支出、健康状態、家族構成が変われば、減額・停止・売却も含めて見直すことが大切だ。
毎月10万円・15万円・30万円を投資した場合のシミュレーション
ここでは、毎月10万円・15万円・30万円を新NISAで積み立てた場合の運用シミュレーションを紹介する。
70代でこれだけの金額を投資できる人は限られるため、上限を使った場合のイメージとして確認してほしい。
- 年利は3.0%
- 毎月末に積み立てる単純計算
- 信託報酬・売買手数料・価格変動の途中経過は考慮しない
- 将来の運用成果を保証するものではない
毎月10万円を投資した場合
| 投資金額 | 月10万円(つみたて投資枠の上限) |
|---|---|
| 利益率 | 年3.0% |
| 投資期間 | 10年 |
| 10年後の元本 | 1,200万円 |
| 10年後の運用益 | 約197万円 |
| 元本+運用益 | 約1,397万円 |
毎月15万円を投資した場合
| 投資金額 | 月15万円(つみたて投資枠と成長投資枠を併用) |
|---|---|
| 利益率 | 年3.0% |
| 投資期間 | 10年 |
| 10年後の元本 | 1,800万円 |
| 10年後の運用益 | 約296万円 |
| 元本+運用益 | 約2,096万円 |
毎月30万円を投資した場合
| 投資金額 | 月30万円(年間360万円の上限を利用) |
|---|---|
| 利益率 | 年3.0% |
| 投資期間 | 5年 |
| 5年後の元本 | 1,800万円 |
| 5年後の運用益 | 約139万円 |
| 元本+運用益 | 約1,939万円 |
毎月30万円の投資は、NISAの年間投資枠を最大限使う方法である。ただし、70代では枠を早く埋めることよりも、生活資金を確保したうえで無理なく続けられる金額にすることが重要だ。
70代で投資を始めるなら少額で値動きに慣れることが重要
投資経験が少ない人は、最初からまとまった金額を投資すると、少しの値下がりでも不安になりやすい。
たとえば、100万円を投資して10%下がると10万円の含み損になる。投資の仕組みを理解していないと、慌てて売却してしまい、長期運用のメリットを活かせない可能性がある。
まずは少額で積み立て、値動きに慣れたうえで、必要に応じて増額を検討しよう。投資額を増やすよりも、生活に支障が出ない範囲で続けられることのほうが大切である。
70代が新NISAで運用するときの注意点

新NISAは非課税で運用できる便利な制度だが、投資である以上、損失が出る可能性はある。特に70代は、損失を取り戻す時間が限られるため、制度のデメリットや注意点を理解してから始めたい。
ここでは、70代が新NISAで資産運用をするときの注意点を解説する。
新NISAでは損益通算・繰越控除ができない
新NISAの注意点として、損益通算や繰越控除ができない点がある。それぞれの概要は以下のとおりだ。
たとえば、課税口座Aで投資信託Xの利益が10万円、課税口座Bで投資信託Yの損失が30万円出た場合、損益通算により10万円の利益を損失と相殺できる。
しかし、NISA口座で損失が出た場合、その損失は税務上なかったものとみなされる。課税口座の利益と相殺することはできず、繰越控除もできない。
70代が新NISAで運用する場合、損失が出たときの税制上の救済がないことを理解し、値動きが大きすぎる商品に資金を集中させないことが大切である。
個別株の配当金は受取方式を確認する
成長投資枠で上場株式を購入し、配当金を受け取る場合は、配当金の受取方式にも注意が必要だ。
NISA口座で上場株式の配当金等を非課税にするには、証券会社で配当金等を受け取る「株式数比例配分方式」を選択する必要がある。発行会社から直接受け取る方式などでは、NISA口座で保有していても課税扱いになる場合がある。
配当目的で個別株を買う人は、購入前に証券会社の設定を確認しておこう。
過度なリスクをとらず資産全体のバランスを考える
70代から新NISAで資産運用を始める場合、過度なリスクをとらないことが重要だ。
投資におけるリスクとは、単に「危険」という意味ではなく、リターンの振れ幅を指す。株式型の投資信託や個別株は、預貯金より高いリターンを期待できる一方で、短期間に大きく下落することがある。
お金を使う直前に相場が大きく下がると、必要な資金を損失が出た状態で売却しなければならない可能性がある。70代では、投資する資金とすぐ使う資金を分けることが欠かせない。
リスクを抑えるには、NISA口座内ではバランス型投資信託を活用する、NISA口座外では預貯金や個人向け国債などの安全性を重視した資産を持つ、といった方法がある。
ただし、安全性を重視しすぎると資産を増やす効果は小さくなる。自分にとって必要な生活資金を確保したうえで、どの程度まで値下がりに耐えられるかを基準に配分を決めよう。
余剰資金以上の投資で大きな利益を狙わない
70代以上の方が投資する際、生活費や医療費、介護費用まで投資に回さないように注意が必要だ。
生活費を切り詰めて投資額を増やせば、うまくいったときの利益は大きくなる。しかし、相場が下がったときに生活に支障が出るほど投資してしまうと、本来の目的である老後資金の安定から外れてしまう。
NISA口座の商品は売却できるが、売却してから現金として使えるまでには数営業日かかることがある。また、相場が下落しているときに売却すれば損失が確定する。
NISA枠を無理に使い切る必要はない。70代では、投資額よりも生活の安定を優先し、余剰資金の範囲でコツコツ続けることを意識しよう。
SNSや電話の投資勧誘には注意する
新NISAへの関心が高まる一方で、投資を口実にした詐欺的な勧誘にも注意が必要である。
「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」「金融庁の許可がある」「著名人がすすめている」といった言葉で投資を勧められた場合は、すぐに送金してはいけない。
特に、SNSやLINEグループ、電話で個人口座への振込を求められるケースは危険である。少しでも不安がある場合は、家族、消費生活センター、金融庁の相談窓口などに相談しよう。
70代が新NISAを始めるときは専門家への相談も選択肢

70代から初めて新NISAに挑戦する場合、口座開設の方法、投資商品の選び方、積立額、取り崩し方などで迷うことがある。
不安がある場合は、家族に相談するだけでなく、資産運用の専門家に相談することも選択肢になる。
- 証券会社
- 銀行
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(金融商品仲介業者として活動するアドバイザー)
相談先ごとの特徴を理解して選ぶ
相談先によって、得意分野や提案できる商品は異なる。相談前に、それぞれの特徴を確認しておこう。
| 相談先 | 相談しやすい内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 証券会社 | NISA口座、投資信託、株式、債券、売買手続き | 自社で取り扱う商品が中心になりやすい |
| 銀行 | 預金、投資信託、保険、相続や年金まわりの相談 | 個別株式の取引は証券口座が必要になることが多い |
| FP | 家計、年金、保険、相続、ライフプラン全体 | FP資格だけでは個別銘柄の売買助言ができない場合がある |
| IFA | 金融商品仲介業者として、証券会社等から委託を受けた金融商品の提案や媒介 | 委託元、報酬体系、提案商品の範囲を確認する必要がある |
IFAは「独立系」と説明されることがあるが、実際には金融商品取引業者や登録金融機関から委託を受けて、有価証券の売買の媒介などを行う立場である。相談する場合は、どの金融機関と提携しているか、どのような手数料や報酬が発生するかを確認しよう。
また、FPに相談する場合も、投資商品の個別具体的な助言を受けたいときは、投資助言・代理業など必要な登録があるかを確認することが大切だ。
相談前に準備しておきたいこと
専門家に相談する前に、以下の内容を整理しておくと、より具体的なアドバイスを受けやすい。
- 毎月の年金収入と生活費
- 預貯金、退職金、保険、持ち家などの資産状況
- 今後5年以内に使う予定のあるお金
- 医療費・介護費への備え
- 家族に残したい資産や相続の希望
- 値下がりしたときにどの程度まで耐えられるか
投資商品を選ぶ前に、まずは家計とライフプランを確認することが重要である。新NISAは便利な制度だが、制度を使うこと自体が目的ではない。
「どの資金を、いつまで、どの程度のリスクで運用するのか」を整理したうえで、自分に合った運用方法を選ぼう。
70代の新NISAは守りを優先して余剰資金で活用しよう

70代は、現役世代のように労働収入で資産を増やすよりも、いまある資産を守りながら生活するフェーズである。
それでも、70歳からの生活期間は長く、預貯金だけを取り崩していると資産が想定より早く減る可能性がある。生活費や医療費を確保したうえで、余剰資金の一部を新NISAで運用することは、資産寿命を延ばす選択肢になり得る。
70代から新NISAを始めるなら、まずはつみたて投資枠を中心に、低コストで分散された投資信託を少額から始めるのが現実的だ。余裕資金がある場合は、成長投資枠も併用できるが、個別株や値動きの大きい商品に資金を集中させるのは避けたい。
毎月の積立額は、NISAの上限額ではなく、家計の余裕から決めることが大切である。月5,000円〜3万円程度から始め、値動きに慣れたうえで必要に応じて見直すとよい。
新NISAは、使い方次第で老後資金の管理に役立つ制度である。ただし、元本保証ではなく、損益通算や繰越控除もできない。家族や専門家にも相談しながら、生活に支障のない範囲で無理なく活用しよう。
出典
金融庁「NISAを知る」
金融庁「資産形成の基本」
金融庁「つみたて投資枠対象商品」(公開日:2026年5月11日)
国税庁「No.1535 NISA制度」(公開日:2025年4月1日)
日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」(公開日:2026年4月1日)
厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命」
資産運用業協会「NISA成長投資枠の対象商品」
関東財務局「登録に係るQ&A(投資助言・代理業)」
日本証券業協会「金融商品仲介業者」
金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」(公開日:2025年12月23日)


